厚生労働省から、7月28日に
「がん免疫細胞療法と免疫チェックポイント阻害薬との併用について(注意喚起)」
という事務連絡が出ています。
注意喚起のきっかけとなったのは、オプジーボの投与後に、免疫細胞(αβT細胞)療法を受けた結果、劇症型心筋炎が疑われる心不全に至り死亡した例が発生したためです。
これを引用して、本日発信の
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日経バイオテクONLINEメール 2016/8/18 Wmの憂鬱 Vol.2503
→ https://bio.nikkeibp.co.jp/atclwm/column/16/08/12/00088/?ST=wm
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にも、注意が記載されています。
この患者様は、再発非小細胞肺がんの方で、2年前に免疫細胞(AKT-DC)療法を19コース受診後、両側多発リンパ節転移、胸膜播種、骨転移を認めたため、化学療法(カルボプラチン+ペメトレキセド)後、胸痛を発症、半合成麻薬オキシコドンを投与されていた方です。
このときの胸痛は狭心症によるものではないことが検査で判明していましたので、別の原因と考えられます。
今回、オプジーボ(3mg/kg/day)の投与を受けた23日後に、別の医療機関でがん免疫細胞(αβT細胞)療法を受けた結果、劇症型心筋炎が疑われる心不全に至り死亡したという経過でした。
心筋炎は、自己免疫疾患が原因となることもあります(Ref. 1)。
そこで、筆者は、オプジーボ投与前に、がん以外ですでに何等かの臨床上の問題を抱えている患者様では、特に自己免疫疾患が隠れていないか、しっかりと検査しておくべきだろうと思います。
事前検査で、もし自己免疫疾患が疑われる場合、オプジーボを投与すると劇症化する可能性が高くなることは容易に考えられます。
オプジーボにより免疫反応のブレーキが効かない状態が体内で作られますから、自己の正常な細胞を攻撃する免疫細胞(自己免疫疾患の原因細胞)が暴れまわるからです。
しかし、事前検査で、自己免疫疾患がないことがわかっていれば、オプジーボを投与しても、自己免疫疾患を発症し、しかもいきなり劇症化するとは考えにくいのです。
弊社では、自家がんワクチンの院内調剤による提供開始以来、自己免疫疾患がある/疑われる患者様には、
「自家がんワクチン投与前から、すでに自己免疫疾患があると疑われる場合は、絶対に自家がんワクチンを投与しないで下さい。強い免疫刺激力のため、自己免疫疾患を増悪させる可能性があります。」
→ https://cell-medicine.com/howto/timing.php
と厳重に注意して参りました。
それを守っていただければ、大きな問題となる副作用発生を、極力、回避できるのではないでしょうか。
事前にしっかりと自己免疫疾患の疑いがないことを確認の上で、今回のような高用量(3mg/kg/day)ではなく、低用量(例えば1/3~1/5量)にすれば、オプジーボとの併用も決して怖いものではないと考えられます。
既に、この方針で、東京・銀座並木通りクリニックと弊社では、標準治療法がないという難治性の希少ながん種の治療のために、
◎ 「自家がんワクチンと免疫チェックポイント阻害薬を時差併用」
し、成功した症例報告論文(Ref. 1)を出しています(Ref. 2)。
当社ホームページ掲載のトピックス欄のうち、
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2015.06.29 自家がんワクチンと免疫チェックポイント阻害剤を併用した最初の症例が紹介されています
2016.05.18 自家がんワクチンと免疫チェックポイント阻害剤との併用:症例報告論文が受理されました
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にありますので、ぜひご覧下さい。
References
1.日本循環器学会,日本胸部外科学会,日本小児循環器学会,日本心臓血管外科学会,日本心臓病学会,日本心不全学会 合同研究班:
急性および慢性心筋炎の診断・治療に関するガイドライン(2009年改訂版)、
www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_izumi_h.pdf
2.Tatsu Miyoshi, Tatsuji Kataoka, Atsuko Asahi, Takashi Maruyama, Rika Okada, Yoji Uemae, & Tadao Ohno: A transient increase and subsequent sharp decrease of chemo-refractory liver-metastasized uterine cervical small cell carcinoma to autologous formalin-fixed tumor vaccine plus anti-PD-1 antibody. Clinical Case Reports 2016; 4(7): 687–691.
【ご案内】
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弊社の提携医療機関でも、保険診療の認可を待たず、自由診療にて弊社の「自家がんワクチン+ニボルマブ」併用療法を採用しているクリニックが続々と登場しています。どこが採用しているかは、弊社にお問い合わせ願います(TEL:029-828-5591)。
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このメールニュースを、ぜひ知人に転送願います。このニュースは、2000人以上の方々に発信しております。
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→ https://cell-medicine.com/registration/
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大規模病院の先生方へ:
「混合診療禁止」政策により、大規模病院では「自家がんワクチン療法」が実施できなくても、先生ご自身の患者様に対して、お近くの連携クリニックにて簡単に実施できます。
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★“自家がんワクチン療法”は「厚労省への届け出は不要です」★
自家がんワクチンが、生きている細胞を含まないため培養不要で、再生医療等安全性確保法でいう「細胞加工物」(人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの)に該当しないためです。
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患者様向けには、「自家がんワクチン療法」のホームページをご案内下さい。わかりやすくやさしく記載してあります。
こちらです。 ⇒ https://cell-medicine.com/
弊社は、理化学研究所発ベンチャー&筑波大学発ベンチャーです。