時代の急激な転換–第54回日本癌治療学会から 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

トピックス

時代の急激な転換–第54回日本癌治療学会から

最新の学会から 

先週、2016年10月20~22日の3日間、横浜の国際会議場・パシフィコ横浜にて日本癌治療学会が開催され、当社でも「自家がんワクチン療法」の商業展示ブースを一つ出展しました。

筆者は、この学会の20年来の正会員でもあり、別途に参加証をもっていたので各会場を廻って学術発表を聴講していましたが、今回は驚きの光景を目にしました。

学会第2日目、教育シンポジウム「がん免疫療法:特に免疫チェックポイント阻害剤」(第11会場、502室)では、340席もある会議室から参加者があふれ出し、両側壁際はもちろん、会場ドア手前のロビーも超満員でした。

主催者側はあわてて手前のロビーに大型モニターを設置して、ロビーでも画面で聴講できるようにしていましたが、モニターの前には100人以上も床に座り込んでいて、さらにその周りを立ち見の参加者が何十人もぐるりと取り囲み、熱心に聞き入っておりました。そこでは、それぞれが病院に返れば「先生、先生」と患者やスタッフから尊敬を集める紳士淑女にしては、いささか異様な雰囲気を醸し出していました。学会主催者側が想像もしていなかったおよそ700名ものがん治療医が、“がん免疫療法”のシンポジウムに押し掛けたのです。

この現象、まさに隔世の感があります。

わずか2年余り前、2014年7月4日に、免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」が世界最初にわが国で承認されましたが、その1年後でさえも医師の“がん免疫療法”に対する認識は、以下の1件に象徴されています。
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2015年12月8日、(脳腫瘍の一種、最悪の)膠芽腫のお子さんを持つお母さんから当社への電話で、

Y大学病院で、「もう治療法がありません」、と言われた。

「それなら子どもに他所の自由診療で、自家がんワクチン療法を受けさせたい」

と主治医に申し出たところ、

「こんなものは、“わら”にすぎない」

と言われた、悔しい!! と電話の向こうで泣き出してしまった。
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“がん免疫療法”には、多数の種類があり、一般論でいう“がん免疫療法”としても、また、自家がんワクチンとしても、国の承認を得ているわけではありません。

しかし、昨年までの医師の一般的な認識は、抗体医薬オプジーボは「抗がん剤」の一種であって、巷でいう“がん免疫療法”とは決定的に違う、“がん免疫療法”には、確かに有効だという高度の統計学的な証明(メタアナリシス)がなされていない、つまりエビデンスがない、そのような治療法は“わら”にすぎないのだ、効くわけがない、というものでした。

エビデンスにレベルがあることを無視して、エビデンスをあまりにも狭小に解釈していますが、そのためでしょう、昨年までの“がん免疫療法”関係の会場はいずれも穏やかなものだったのです。

エビデンスにレベルがあることと、自家がんワクチンの現状については、 → こちらをご覧ください

それが一転してこの騒ぎになったのは、「オプジーボ」が肺がんにも承認され年間5万人もの肺がん患者が治療対象になったこと、一人当たりフルに「オプジーボ」を使うとすると年間の薬剤費が3500万円にもなり、わが国の保険制度が崩壊してしまうとマスコミで騒がれ、現在、特例でオプジーボの薬価を激減させようと政府内で審議中であることが背景にあります。

既に海外では、ここ2~3年来、悪性黒色腫、肺がん、腎がん、膀胱がんでも免疫チェックポイント阻害剤有効性と同時に限界までも報告されています。

それと同時に、“がん免疫療法”一般についても、有効性を探ろうと非常に注目されています。このような海外情勢と、正しく“がん免疫療法”とはどのようなものかを(免疫チェックポイント阻害剤に限らずに)しっかりと知っていれば、昨年12月に、患児の親に向かって無下に「こんなものは“わら”にすぎない」とは言わなかったと思われます。

今回の学会でも報告されましたが、免疫チェックポイント阻害剤は、2.7%程度の患者で「間質性肺炎」を惹起します(スポンサードシンポジウム5、千葉大・先端科学療法、滝口裕一先生)。

その他にも、死につながる重篤な副作用が多々発生しますので、がん治療の決定打と思い込んで免疫チェックポイント阻害剤だけに頼るのは考え物です。

免疫チェックポイント阻害剤に、従来型抗がん剤であっても強い副作用が出ない投与量にダウンして組み合わせるとか、放射線の併用も有用です。また、保険外の自家がんワクチンの併用も「あり」だと思います。

その実例について、先ずはこちらをご覧ください。
→ 「自家がんワクチンと免疫チェックポイント阻害剤を併用した最初の症例が紹介されています

場合によっては、混合診療にならないように近隣の連携先の医療機関と分担する等の工夫をすれば、大学病院でさえ、重篤な副作用問題が全くない自家がんワクチンのような未承認医薬品も“がん免疫療法”の一環として治療に役立てることができます。

その有効例については、こちらをご覧ください → 担当医も驚いた症例の数々

がん治療にあたる先生方には、「もう治療法がありません」と言う前に、時代に遅れないように、ぜひ前向きに、免疫チェックポイント阻害剤の他にもある “がん免疫療法”の有用性 をご検討願いたいものです。

【ご案内】
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大規模病院の先生方へ:

「混合診療禁止」政策により、大規模病院では「自家がんワクチン療法」が実施できなくても、先生ご自身の患者様に対して、お近くの連携クリニックにて簡単に実施できます。

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既に、大学教授で、この連携方式により、ご担当の患者様の自家がんワクチン療法受診を実現されている先生方も何人もおられます。具体的な方法は弊社まで直接お問い合わせください。必要な投資額はわずか30万円前後です。

新たに「自家がんワクチン療法」を自院でも開始したい病院の先生方は、どうか遠慮なく弊社にご連絡下さい。直接説明に伺います。

大病院から小型診療所まで、どこでも簡単に実施可能です。しかも肝がんでは、すでに無作為比較対照臨床試験で有効性が証明されているエビデンスレベルの高いがん免疫療法です。

★“自家がんワクチン療法”は「厚労省への届け出は不要です」★

自家がんワクチンが、生きている細胞を含まないため培養不要で、再生医療等安全性確保法でいう「細胞加工物」(人又は動物の細胞に培養その他の加工を施したもの)に該当しないためです。

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注:弊社は病院やクリニックではなくバイオ企業であるため、症例報告や論文内容のWeb掲載は許容されています。

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