リアルワールドデータの価値 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

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リアルワールドデータの価値

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滋賀医科大学循環器内科教授・中川義久先生が最近書かれたブログに、
「第24回 永遠の命題か?無作為化試験 vs. リアルワールドエビデンス」
. (公開日 2020/05/29)
というものがあります。

→ https://www.carenet.com/series/nakagawa/cg002221_024.html

先生が話題として取り上げた元々の論文は、

The Magic of Randomization versus the Myth of Real-World Evidence
.   ( https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMsb1901642 )

にあります(サブスク登録しないと読めないのが残念ですが)。

リアルワールドエビデンスとは「リアルワールドデータから導かれたエビデンス」のことです。

といってもわかりにくいと思います。

リアルワールドデータとは、なんのことはない、臨床試験ではない日常診療の臨床現場で出たデータ(実臨床のデータ)のことで、毎日毎日出る臨床データを積み上げたものです。

ある薬に関する臨床試験を行う場合は、通常、あらかじめ患者さんの背景因子を極力そろえるようにする操作を行います(年齢、性別、基礎疾患、試験対象の病気の状態など、動物実験の場合と同じように、結果に変動を与えそうな条件を同じにする操作です)。

しかし、ヒトでは、個人個人の状態が違いすぎて、背景因子が同じ患者集団を取り上げるのが困難なのが普通です。

それを補うため、「あらかじめ患者さんの背景因子をそろえる」手段として使われるのが、無作為化(ランダム化)という臨床試験で汎用される手法です。

試験対象となる患者さんを集めてランダムに2群に振り分ければ、患者さんの数が多くなるほど、2群の背景因子は同じようになって均一化します。

例えば16歳から75歳という年齢的に幅広の患者さんを対象にしたとしても、2群の平均年齢が1歳程度しか差がなく、ほとんど同じになることが実際に起こります。

ですから、無作為化比較試験で一方の患者群にだけある薬を投与すれば、他方の患者群とは背景因子が同じですから、背景因子の違いの影響を考えずに、その薬の効果の有無を解析できます。

そのため、効果の有無を判定しやすくなるのが無作為化試験の利点です。

しかし、実臨床では、患者さんの背景因子は必ずしもきれいに揃っているわけではありません。年齢など、バラバラのままが普通です。

また、がん患者さんでは、調べたい薬だけを使っているとは限りません。いろいろな治療法をあれこれ取り混ぜて受けている方も沢山いますので、どの治療法が本当に効いているのかは、すぐには判断できないのも普通です。

もし、このような実臨床で、確かにこの薬は効いていると言えるなら、背景因子をそろえてモデル化した臨床試験で調べた効果よりも、臨床現場で実感できる効果の価値ははるかに高いと言えます。

そこで注目されてきたのが、リアルワールドデータというわけです。

そして、日常診療のデータから拾いだして、この薬は効くといえるかを統計学を駆使して解析し、それを科学的証拠としてまとめたのが、リアルワールドエビデンスです。

しかし、日常診療のデータから拾いだすとしても、研究者のご都合主義で、適当にデータを選び出したのでは、患者集団の背景因子に偏り(バイアス)が生じ、目の前の患者さんに効きそうかどうかを判断するときに、間違えるリスクが高くなります。

しかし、もし、膨大な実臨床データがあれば、そこからある薬の効果の有無や副作用のリスク等を、バイアスなく判定できる可能性がでてきます。

そのため、既に欧米では、医療技術評価の一環としてリアルワールドデータが用いられています。
(→ https://www.jcsoa.gr.jp/20151126/2831.html

ただし、中川先生のブログ(と元論文)の結論は、
「リアルワールドエビデンスは無作為化比較試験に、まだ取って代わるものではない」
というものでした。

とは言っても、弊社では、リアルワールドエビデンスを追求する価値はまだまだ十分あると考えています。

弊社の自家がんワクチン療法では、リアルワールドデータが未だ膨大に蓄積しているとは言いがたいのですが、それでも個別症例に注目すると、「確かに効いた」としか言いようがないデータが続々と輩出しているからです。

どうかこちらのページをご覧になってみて下さい。

「がん治療の専門医も驚いた症例の数々」
https://cell-medicine.com/cases/specialists-agree/

このような個別症例データを基盤として、コツコツと実臨床における症例データを蓄積していけば、いつかはリアルワールドエビデンスを生み出せるはずです。

その芽吹きは、骨転移した乳がん症例の予後を追跡し、後ろ向きに振り返って解析し論文にまとめた、

. 「乳がんの臨床試験成績」

に見ることができます。こちらです ↓
https://cell-medicine.com/cases/results-breast-cancer.php

このページ(内容は、査読を受けた学術論文になっています)で取り上げた症例群は、日常診療の一環として、自由診療で自家がんワクチン療法を受けた乳がん患者さんの中から抽出した、骨転移があった方々です。

2018年1月時点では、「世界最高」の予後を達成しています。

このような治療効果は、骨転移した乳がんに対する標準治療法が未だに「ない」(どんな治療をしても効かない)ことから、ランダム化した対照群と比較する無作為化比較試験を行わなくても、わずか20例という少数例のリアルワールドデータがあったからこそ判明したのです。

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「混合診療禁止」政策により、保険診療機関である大病院では「自家がんワクチン療法」が実施できなくても、先生ご自身の患者様に対して、お近くの連携クリニックにてごく簡単に、自由診療にて実施できます。

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