自家がんワクチンを27回繰り返し接種した症例から 最新のがん免疫療法に関するトピックスをご紹介します。

トピックス

自家がんワクチンを27回繰り返し接種した症例から

症例のご紹介 

従来より、弊社の自家がんワクチン療法では、自家がんワクチンの接種は「原則として1コースで終了」、とご案内して参りました。

(1コースは、自家がんワクチン本体を3回接種、その前後に免疫反応テストを各1回注射します。ただし、原材料となるがん組織量次第でテストの注射は省略することがあります)

この原則は、現時点でも変わりありません。

しかし、患者さまの中には、昔からある免疫反応の惹起と維持方法の考え方を取り入れ、

「繰り返し接種する回数が多ければ多い程、良く効くはずだ」

として、3回接種を越え、多数回の繰り返し接種を望まれる方が結構おられます。
そのような典型例が今年度のフォローアップ調査で見つかりました。

***—–***

C型肝炎と肝硬変を背景因子とする肝細胞がんであった57歳(男性)の方、2010年5月に初回自家がんワクチン接種、2週間間隔で計3回接種(ここまでで1コース)を受けられました。

自家がんワクチン接種前の1回目の免疫反応テストは陰性、自家がんワクチン3回接種後の2回目の免疫反応テストでは陽性に転じていましたので(体内で細胞性免疫反応が成立していることを示しています)、主治医も、この1コースで自家がんワクチン療法は終了、もう追加の自家がんワクチン接種は不要と考えていました。

しかし、患者さまの強い希望で、同年7月から2コース目(3回)接種、9月から3コース目(3回)接種と続けられ、以後も、
4コース、5コース、6コース、7コース、8コース、9コース(2017年1月)まで継続、
計27回の自家がんワクチン接種を受けられました。

この間、すべての免疫反応テストでは陽性を維持しています。

この7年間、肝がんの再発はなく健在でしたため、患者さまご本人はたいへん喜んでおられました。

26回目の自家がんワクチン接種後、患者さま自身の報告では、「排便しやすい」「むかつきが少なくなった」「肝背面の背中の痛みが消失している」「インターフェロンと同じように、打つと少ししんどい」という体調変化があったとのことですが、
一般的には、
.  「どうもワクチンを打つと調子がよい」
とのことでした()。

さすがにもうワクチン接種は不要ではないかということで、反復接種を中止しましたが(2017年2月以降)、残念ながら、その3年後(2020年2月)、腫瘍マーカーPIVKA-IIが高値となり、肝細胞がんが認められ、再手術となりました。

***—–***

C型肝炎ウイルス感染症を基因とする肝細胞がんの場合、高い頻度で再発(あるいは新発)することが知られています。

フォローアップ調査で見つかった上記の症例では、自家がんワクチン反復接種中は10年間無再発でした。

ただし、2コース目以降の自家がんワクチン接種が真に再発抑制効果を発揮し続けたのか、実は1コース目だけで十分であったのかは、現時点では不明です。

しかし、上記()の時点でみても、この症例においては、これだけ繰り返し接種しても、自家がんワクチンの副作用は極めて軽度で問題にならなかったことがわかります。

また、弊社も参加したこれまでの臨床研究では、脳腫瘍のうちの膠芽腫に関する4回の臨床試験で自家がんワクチンを投与された合計88例中、1例以外で重篤な副作用はありませんでした。

その1例でさえ、3コースの繰り返し投与でグレード3(投与局所腫脹)の有害事象が出現したものの、特に治療する必要もなく、3日間で自然消失しました。それ以外の症例ではすべて自然治癒する範囲のグレード2以下でした。

今後、もし「原則として1コースで終了」せずに繰り返し自家がんワクチン接種を受けたいとの希望者が出現したとしても、副作用の面ではあまり心配する必要性はないと思います。


【4月の銀座セミナーのご案内】

—–*****—–*****—–*****—–*****—–

全体タイトル:『がんと共存して長生きを』

(※)タイトルの趣旨は、がんを小さくするために無理な抗がん剤治療を続けると、強い副作用で疲弊してしまい、結局は長生きできなくなるよりも、無理のないやさしい治療を続ければ、がんが体内に残っていても長生きできる可能性があります、ということです。

セミナー1『がん免疫療法の最近の動向および自家がんワクチン療法について』

.     講師:セルメディシン株式会社
.     代表取締役社長 大野 忠夫

セミナー2『がんと共存・からだにやさしい少量抗がん剤治療について』

.     講師:銀座並木通りクリニック
.     院長 三好 立

日時:4月22日(土)14:00~16:00 (13:45開場)

場所:銀座並木通りクリニック
〒104-0061 東京都中央区4-2-2 第1弥生ビル7F
(TEL:03-3562-7773)

参加費:無料

参加可能者数:10名(要予約・申込み先着順

 感染対策のため,参加人数を制限をしております。ご希望の方は,お早めにご予約下さい。

★ セミナー参加者は,マスク着用の上,来院下さい。

 質疑応答
質疑応答のコーナーでは、多くのご質問をいただいています。ご遠慮なくどうぞ。

 下記書籍の電子版をPDF1冊分ダウンロードすれば、無料閲覧が可能です。

・書籍「がんワクチン」
・書籍「がんは引き分けに持ち込め」

ダウンロードページはこちら ↓
https://www.ginzanamiki-clinic.com/media/

お申込み方法:参加ご希望の方は、
.  銀座並木通クリニック
.  (TEL:03-3562-7773)
まで直接お電話下さい。

—–*****—–*****—–*****—–*****—–

注:弊社は病院やクリニックではなくバイオ企業であるため、症例報告や論文内容のWeb掲載は許容されています。
監督官庁の確認を得ており、医療広告ガイドライン違反ではありません。

ご相談は無料です。
お気軽にお問い合わせください。