高齢者のがん治療については、先の
「 トピックスNo.648 – 80歳以上の方々に対する自家がんワクチン療法の効果は意外に高い-その1」(2025.07.04発信)
「トピックスNo.657 – 80歳以上の方々に対する自家がんワクチン療法の効果は意外に高い – その2 – この方々をご覧あれ」(2025.08.18発信)
にてご紹介しましたように、患者様の年齢が80歳代に入っていると、積極的な治療が“行われにくく”なってきます。
有体にいえば、 「ああ、もう80歳以上なんですね、それなら治療せずに、様子をみていきましょう…..」となりやすいのです。
しかし、 – その2 – でご紹介した患者様方(82~85歳)以上に、さらに自家がんワクチンが効いていたと思われる以下の方々の実例をご覧ください。
まだ80歳であれば、有効となる可能性が一段と高いと考えられるのです。
〔症例863〕
80歳、女性、直腸がん、ステージIV
2009年1月、自家がんワクチン接種。腹膜転移有りの状態でワクチン接種後2年以上無増悪。癌とは関係ない誤嚥性肺炎で永眠。主治医判断により自家がんワクチンは有効だったと診断された。
〔症例583〕
80歳、女性、乳がん、ステージII
2007年7月、自家がんワクチン接種。同年8月より放射線治療。2010年5月、再発なく問題なし。この間、2011年8月までアリミデックス使用、CTと骨シンチで再発認めない。2011年10月脳梗塞、2017年3月尿管感染症、2018年1月肝血管腫があるが、乳がんは10年以上無再発につき、自家がんワクチンは有効と評価された。
(注)おそらく自家がんワクチン(イムノテラピィ)と放射線治療(ラジオテラピィ)の併用法(“イム・ラジ”)による相乗効果があったものと推定されます。
〔症例1715〕
80歳、男性、直腸がん、ステージIIIb
(2013年11月、第10回がんワクチン療法研究会での発表症例)
肺転移巣切除後約6ヶ月経過後、再発・転移病巣の有無をPET/CTにて検索したところ、肝右葉S7から肝門部大静脈に一部接して最大径40mmの転移巣を認めた、という状態の方。
2012年4月、肺転移巣は切除。肝転移巣は直径3.5cmあり、腫瘍マーカーCEAが上昇。
2012年10月、自家がんワクチン接種。
2012年11月、陽子線照射。
2013年 7月、腫瘍マーカーCEAが1まで低下。
2014年 4月、今は治った状態と主治医から連絡あり。
(注)おそらく自家がんワクチンと放射線(陽子線)治療の併用(“イム・ラジ”)による効果があったものと推定されます。
〔症例1484〕
80歳、男性、耳下腺がん、ステージ不明
耳下腺がんだが、耳下腺周囲に同時多発転移があった方。
2012年1月手術、このとき既に頸部リンパ節転移があり、非治癒切除のため、予後不良と予測されたが、
2012年2月、自家がんワクチンを接種。
2012年4月、放射線治療
2020年3月、ワクチン投与後8年無再発生存確認。
(注)おそらく自家がんワクチンと放射線治療の併用(“イム・ラジ”)による相乗効果があったものと推定されます。
〔症例615〕
80歳、男性、胃がん、ステージIV
腹膜播種あり。がんは胃後壁で露出し膵皮膜に直接浸潤、周囲腹膜に播種性結節も認め根治性無しと判断された方。胃全摘術+胆嚢摘出術施行、抗がん剤を腹腔内投与。2007年8月退院したものの、膵皮膜浸潤・がん性腹膜炎あり。
主治医から抗がん剤治療無しでは余命数ヶ月と言われるも忌避し、自家がんワクチンのみ投与、1年以上無増悪を達成。
以上のように、自家がんワクチンと放射線治療を併用した(“イム・ラジ”を受けた)方々で、特に効果があったのではないかと考えられるデータとなっております。
もちろん、この併用効果があることを統計学的に証明するためには、同じようながん種で末期がんを患う80歳以上の高齢の患者さまを多数集め、「自家がんワクチン療法+放射線治療」群対、「(抗がん剤等の)非がん免疫療法+放射線治療」群の間で、ランダム化比較対照試験を行わなければ証明は困難です。
しかし、果たして、このような試験を組むこと自体、倫理的な観点からすれば大きな問題ありとされるのではないでしょうか。
以上のように、これらの方々の臨床経過は、従来の高齢者がん治療の考え方(患者様が80歳以上なら、積極的な治療はせずに様子をみる)を「常識」とした場合、- その2 – (トピックスNo.657)で述べましたように「常識」の方を疑うべきかもしれません。
今回のトピックスシリーズ、 「80歳以上の方々に対する自家がんワクチン療法の効果は意外に高い」-その1、その2、その3を合わせて、80歳以上の患者さまで評価されたのは、
全51例中、有効例は20例もありました。有効率は39.2%にも達しています。
やはり、従来の高齢者がん治療に対する「常識」は、重大な副作用を伴う旧来の抗がん剤治療に立脚しているためではないかと考えられます。
それに引き換え、上記の〔症例1715〕の方のように、自家がんワクチン療法には“重大な副作用がほとんどない”こと、(専門家からの鋭い質問が浴びせられる場であるため、隠し事ができない学会発表でさえも、副作用に触れた点がないこと)が、高齢者のがん治療には重要なポイントになると、読者の皆様にもお考えいただければたいへん有難く存じます。
80歳以上の高齢者であっても、免疫能力は十分あるのですから、自家がんワクチン療法により、天寿を全うしていただけることを弊社では願っております。
“親を楽に長生きさせられる”、これ以上の親孝行はないと思いますよ。
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“親を楽に長生きさせられる”
より長く生きられるという安心感を!
You Tubeで【自家がんワクチンとは】をご覧ください。
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