高齢者のがん治療については、先の
「セルメディシンニュースNo.648-80歳以上の方々に対する自家がんワクチン療法の効果は意外に高い-その1」(2025.07.04発信)
にてご紹介しましたように、患者様の年齢が80歳代に入っていると、積極的な治療が“行われにくく”なってきます。
有体にいえば、
「ああ、もう80歳を超えているんですね、それなら治療せずに、様子をみていきましょう…..」
となりやすいのです。
しかし、以下の方々の実例をご覧ください。
〔症例1266〕
82歳、女性、胆のうがん
2010年12月手術、胆嚢の隆起性病変を中心に、一部に高分化型を混え、主として中分化型の浸潤性増殖が見られ、腫瘍細胞はリンパ管侵襲像を示し、漿膜下層まで浸潤していたという方。
術後の診断で、胆嚢断端に腫瘍があったが82歳と高齢なため追加手術をせず(がんが残ったまま)。
翌年2月、自家がんワクチン接種。2012年8月、PET-CTにて再発なし(陰部腫瘍疑いありだがそのまま経過観察)、2013年8月でも再発なし。主治医判断により自家がんワクチンは有効だったとされた。
〔症例1788〕
83歳、男性、腎細胞がん、ステージIV
脳転移あり。脳転移巣を摘出し自家がんワクチンを作製、原発巣の腎がんは手術せずに放置。
2013年1月自家がんワクチン接種。同年8月主治医より「原発巣の縮小を認めた」との報告あり。2014年6月の再連絡で、原発巣が減少中とのこと。
(注)ご家族より、1年経過後、感謝の報告をいただいております。弊社から、上記の方の主治医とは独立した医師にこの方の経過判定をお願いしたところ、確かに「1年4ヶ月の間、無増悪」の判定でした。
この方が自家がんワクチン療法受診を決断されたのは、副作用がほとんどないという点がキーポイントだったとのことです。実際に、自家がんワクチン接種翌日の(一過性の)発熱のみだったそうです。
〔症例1988〕
85歳、男性、線維性組織球腫(MFH)
MFHと略称される軟部肉腫の一種は、80%の症例で肺転移が起こり、術後再発した場合の生命予後は不良とされている難治性腫瘍です。
この方は、初診時に肺転移があり「かなりの介護と頻回の医療ケアが必要」という具合の悪い状態でした。初回手術後の断端に腫瘍が残っており、さらに大学病院で2回手術、肺転移巣に放射線治療を追加しています。
2013年9月自家がんワクチン接種。同年11月(主治医より)ワクチン投与前後で、驚くほどキラーT細胞・ヘルパーT細胞の比(Th1/Th2)が高くなったという。2014年4月のPET診断では「再発や転移を積極的に示唆する所見を認めない」とのことでした。
遠隔転移していたMFHで2年後も無病状態であることから、主治医はワクチン有効と判断。2015年11月、日本放射線腫瘍学会第28回学術大会で症例報告を行っています。つまり、がんの一種としてのMFHの悪性度を知り尽くしている専門医をびっくりさせる程、自家がんワクチンの劇的効果があったため、学会発表に至ったというわけです。
〔症例2168〕
85歳、男性、肝臓がん
C型肝炎由来の肝臓がん。2014年6月自家がんワクチン接種。7月時点で腫瘍マーカーAFP=263.5だったが、同年9月、AFPが基準値以下まで低下。「腫瘍マーカー半減以下へ減少」により自家がんワクチンが有効だったと評価されました。
〔症例3102〕
85歳、男性、乳がん
希少な男性のスキルス型乳がんで、初診時にリンパ節転移ありだったが、ステージIと診断されていた方。(通常、乳がんステージ0かIでは、ほとんど再発しないとされています。)
それでも再発、以後、自家がんワクチン療法を2018年11月、2022年6月、2023年1月と3コース(計8回接種)受け、生存中。
いかがでしょうか?
以上のように、これらの方々の臨床経過は、従来の高齢者がん治療の考え方(患者様が80歳以上なら、積極的な治療はせずに様子をみる)を「常識」とした場合、まるで「常識はずれ」です。
否、むしろ「常識」の方を疑うべきかもしれません。
従来の高齢者がん治療に対する上記の「常識」は、重大な副作用を伴う旧来の抗がん剤治療に立脚しているためではないかと考えられます。
それに引き換え、上記の〔症例1788〕の方のように、自家がんワクチン療法には重大な副作用がほとんどないことが、高齢者のがん治療には重要なポイントになると、読者の皆様にもお考えいただければたいへん有難く存じます。
80歳以上の高齢者であっても、免疫能力は十分あるのですから、自家がんワクチン療法により、天寿を全うしていただけることを弊社では願っております。
~~~△▲~~~△▲~~~
より長く生きられるという安心感を!
You Tubeで【自家がんワクチンとは】をご覧ください。
~~~△▲~~~△▲~~~