乳がん 自家がんワクチン療法受診後の乳がんの有効症例ライブラリーをご覧いただけます。

有効症例ライブラリー

乳がん

乳がんは初回手術後の患者様のうち、7~25年間で20%が再発します。一旦治ったように見えても要注意ですので、その対策は重要です。また、進行乳がんでは65~75%で骨転移を起こし難治性となることが知られています。激しい痛みが発生する前に治療してください。

自家がんワクチン療法を受診、その後、2020年12月末時点までにフォローアップ調査した乳がん症例のうち、経過報告があった症例についてソフトクライテリアの観点から評価した治療成績の表を掲載してあります。また、その下に代表的な症例をお示しします。

がん種
全症例数351
1:有効37
2:長期不変・無増悪
(1年以上)
108
3:不変
(6ヶ月以上1年未満)
21
4:無効51
改善率1:
(1+2)/(1+2+3+4)
66.8%
5:経過観察中10
6:投与中止10
7:転帰不明追跡不能107
改善率2:
7.転帰不明も
無効とした場合
44.8%
8:未投与7
9:未評価0

(注) 改善率1=(1.有効+2.長期不変・無増悪)/(1.有効+2.長期不変・無増悪+3.不変6ヶ月以上1年未満+4.無効例数)
→ もっとみやすい改善率-1、改善率-2、表中の項目1~9の定義は →  こちらです

代表的な症例

〔症例0141〕

2004年8月、術後抗がん剤CEF治療6クール終了後も肝転移あり。同年10月自家がんワクチン療法開始、2005年3月肝転移巣長期不変(SD)、しかし腫瘍マーカー上昇、その後通常よりも低い用量の化学療法(タキソテール40mg/日)を再開、腫瘍マーカーほぼ正常化、大型骨転移巣が激減、一部消失(下図)。

(注)この方は、自家がんワクチンのみでは不十分な効果(SD)しかなかったにもかかわらず、あまり役に立たないと思われていた少用量抗がん剤の併用により、骨転移巣が激減した例です。なお、タキソテールの常用量は90mg/日程度ですから、40mg/日は半分以下です。

〔症例0247〕

1999年手術、化学療法6クール後6年経過するも再発、脳転移と判明、2005年7~9月自家がんワクチン+全脳照射を同時併用。追加化学療法を拒否。退院後ホルモン療法のみで経過観察するもCA15-3上昇、12月骨盤転移による激しい痛みにより歩行不能となったため、仙尾骨照射。2006年1月、ストレッチャーにて寝たまま緩和ケア病棟(ホスピス)に入院、4ヶ月後緩和ケア病棟(ホスピス)から自力歩行により退院、主治医・看護師・放射線技師を驚愕させた。2006年9月骨転移巣一部縮小(MR)、大部分は長期不変(SD)、同年12月現在通常生活中。以後、徐々に悪化し、2008年5月永眠。

(注)この方は、寝たまま緩和ケア病棟に入院というがんの最末期ながら、自家がんワクチンと放射線治療の併用で、QOLの改善に劇的効果が見られ、“緩和ケア病棟から生還した”例です。以下でも、併用で大きな効果があった症例が多発しており、自家がんワクチンと放射線治療の相性が良いことを示しています。

〔症例0315〕

53歳、ステージIIIa乳がん。所属リンパ節転移を20個中18個に認め右腋窩部切除。2006年3月自家がんワクチン投与と並行して右腋窩深部~右鎖骨上窩に放射線照射。2009年10月のCT、骨シンチで問題なし。マーカーも問題なし。2018年12月の超音波診断で異常なし。10年超健在。

〔症例0332〕

浸潤性腺管癌、リンパ節転移あり(15個中3個)。2005年8月非定型的乳房切除の術後に標準的な化学療法CEF6クール施行。2006年4月自家がんワクチン投与開始。同年9月アメリカ旅行、特にトラブルなし。2015年9月のCTで問題なし。カルテに「終わり」との表記あり。

(注)この方は、標準化学療法に上乗せして自家がんワクチン療法を受診され(いわば保険代わりとし)ていて、10年無再発となっています。このような使い方ができるのも、自家がんワクチンには副作用がほとんどないためです。

〔症例0406〕

胸部に大型骨転移があり、ホルモン療法も効かないトリプルネガティブの乳がん。自家がんワクチン接種(2006.08)後の免疫反応(DTH-2反応)は陰性、以後、放射線・化学療法を併用、1年後には縮小、さらに3年後(2010.12)には骨転移が消失、全く再発の傾向なく、術後5年目に放射線科の先生の診断で臨床的完全奏効(clinical CR)と判定された。2017.02現在も、健在。術後10年以上経過している。

(注)通常、乳がんで骨転移があった場合、8051症例もの検討の結果、強力な放射線照射をしても、骨転移の痛みを取るためには80%以上で有効だが、骨転移巣を完治させることはできないことが判明している(Falkmer U, et al. Acta Oncol. 2003; 42:620-33.)。
また、本邦でも、「骨転移治療の目標は、骨に住みついたがん細胞を、完全に取り除いたり、死滅させたりすることではない。残念ながら、現在の治療ではそれはできないからだ。」(がんサポート、監修:村岡 篤 香川労災病院第3外科部長、2012年03月号)と述べられている。

※従来は、どんな治療をしても(放射線・化学療法でも)乳がん骨転移は治らない、とされていました。
しかし、この症例では、自家がんワクチン・放射線・抗がん剤のトリオ療法で明らかに治っており、自家がんワクチンの上乗せ効果があったためと結論されています。

ただし、この論文にはない、上図の「治った!!」という時点の画像を、さらに特殊なSPECTによる検査で確認した画像が下図です。

骨転移巣が完全に消失したままであることが確認されていて、論文(Kuranishi F, et al. Int J Breast Cancer, 2018)の中のFig. 2として公開されています。

※さらに、骨転移巣も含めて全身が臨床的完全奏効(cCR)となってから、2018年1月29日の骨シンチ検査・CT検査でも全く再発の傾向がなく、cCR期間が5年超に達しています。2023年2月現在でも全く問題なく、お元気です。

〔症例0425〕

2005年12月右乳がん手術。侵襲性腺管癌、右腋窩部リンパ節転移あり、軽度の繊維嚢胞あり。2006年9月自家がんワクチン投与開始。2010年1月時点、CT、骨シンチで問題なし。2016年6月術後10年半で異常なしのため終診。

(注)乳がんでは、手術後、5年以上経てから再発してくる場合もあり、10年診ないと安心できない、とされていますが、この方は、手術時にリンパ節転移があったにもかかわらず、自家がんワクチン投与後、10年以上も無再発無増悪だったため「終診」に至った有効例です。

〔症例0432〕

(1992年子宮がん手術)
1999年1月乳がんにて左乳房温存術施行。2006年5月リンパ節郭清、サンプリング施行、6月に乳がん再発と診断、リンパ節転移あり。同年10月自家がんワクチン投与開始。2007年8月放射線照射。フェマーラ、アリミデックス、TAMD使用。2017年6月異常なしで終診。(その後、2018年8月CTで卵巣がん腹膜播種、9月腹腔鏡下大網部分切除術施行。TC療法開始)

(注)この方は、3種類のがんが独立に発生しています。がんにかかりやすい体質の方と思われます。乳がんでは原発手術から18年、再発から10年、ワクチン開始から10年超経過していますが、再々発はありません。乳がんに対する自家がんワクチンでは卵巣がんの発生を防ぐことができないこと(それだけ、原料にしたがん種に特異的に作用して再発を抑えている)を示しています。

〔症例0550〕

66歳、2006年6月左乳房、非定型乳房切除術(ステージIIIA)、スキルス癌でリンパ節転移あり(13個中10個)、同年7月よりCEF療法6クール施行。アリミデックス服用。2007年5月自家がんワクチン投与開始。2010年1月時点、CT、シンチ問題なし。アリミデックス服用継続。2016年8月術後10年無再発で終診。「主治医の評価による何らかの臨床上の好ましい反応」ありと判断。

〔症例0561〕

62歳。2006年7月右乳房、非定型乳房切除術、右腋窩リンパ節転移(7個/14個中)、抗がん剤治療なし。2007年6月自家がんワクチン投与開始。同年8月より50Gy放射線照射。2016年4月術後10年異常なしで終診。

※上記の他、尾道総合病院の乳がん自家がんワクチン受診症例では、腋窩リンパ節転移が多数あったり、既に再発しているという方を含め、下記の11例がいずれも術後10年超、異常なしで終診となっています。
症例0582/症例0583/症例0592/症例0673/症例0685/症例0737/症例0811/症例0859/症例0869/症例0872/症例1001

〔症例0649〕

1993年乳がん手術。1995年リンパ節郭清。2005年上皮がん手術。2007年腋窩腫瘤手術、PETにて肋骨裏のリンパ節転移を認め、10月まで放射線治療。2007年11月ワクチン投与開始。2009年4月骨転移あり、腫瘍マーカー上昇中だが、元気。漢方薬併用。20年以上も乳がんの治療と悪化を繰り返している。(2011年11月がんワクチン研究会資料より)腫瘍マーカー上昇まで1年以上かかった。以後、担がん状態でも長期間腫瘍マーカーが横ばい。その後増悪し、2011年10月、自家がんワクチン投与46ヶ月後に死亡したものの、主治医評価で自家がんワクチンは有効だったと判断。

〔症例0853〕

43歳。既に仙骨に転移あり。手術後CEAは上昇気味だった。2009年1月自家がんワクチン投与開始。家族より、今は横ばいで40くらいで状態は安定しているとのこと。2011年2月肝転移出現、それでも予想よりも大きく延命中。2012年6月患者家族が相談に来院。
主治医による「推定余命より2倍以上の延命」により有効と判断。

〔症例0886〕

2000年手術、リンパ節転移あり、放射線治療併用。9年後の2009年2月局所再発。腕に浮腫あり、肺に米粒大の2-3個転移、骨髄転移あり。2月中に自家がんワクチン接種開始、1コース接種終了時には腋の下の転移巣から出ていた体液が止まったという。免疫反応テスト-2は擬陽性。2010年7月、本人より「調子がいい、元気だ」との連絡あり。

(注)特に、乳がんの骨髄転移がある場合、予後が悲劇的になるのはごく普通で、再発1年超後でも「調子がいい、元気だ」とはなりません。免疫反応テストが擬陽性であっても、自家がんワクチンの効果があったと考えられます。

〔症例0984〕

50歳。MRI画像診断で2.5cmの乳がんを指摘され、2009年3月に手術、その4ヶ月後に第1選択として自家がんワクチン療法を受診。遅延型アレルギー反応テストで強陽性。その後、抗ホルモン剤を投与、2015年に胸骨に骨転移が発見され、2コース目の自家がんワクチン療法を受診、36Gyの放射線治療、レトロゾール + ゾレドロン酸治療で血中CEAが激減。

追加で2015年10-11月にはニボルマブ投与を2回受けているものの、この投与の効果は認められていない。2016年2月にPET-CT診断で臨床的完全奏効(cCR)、以後、2017年8月まで検査を繰り返すが、cCRを維持。骨転移ありとの最初の診断時から26ヶ月以上健在。

従来型抗がん剤の治療がありませんので、当然ながら抗がん剤の副作用の心配もなしです!

〔症例2040〕

2000年6月、ステージIIという比較的早期の乳がんを摘出、抗ホルモン剤を服用。しかし13年後に再発、その際、超大型の胸骨転移巣が発見された。2013年11月には放射線治療(60Gy)と自家がんワクチン療法、以後、ゾレドロン酸 + タモキシフェン + レトロゾールで治療、2014年9月に臨床的完全奏効(cCR)となり、2015年8月にcCR状態が再確認されている。再発予防にとニボルムマブも3回投与、しかし、2016年2月に小さい再発が胸骨に出現、cCR状態は17ヶ月間と判定されている。胸骨の再発はピンポイントの放射線治療で消失、現在まで40ヶ月以上健在。

〔症例2265〕

術前化療(FEC100 4クール、タキソール12回)の後、2013年2月大学病院で皮下乳腺全摘術施行。2014年10月乳がんが脳転移し、がん性髄膜炎を発症、2ヶ月ほど前に両目を失明。11月より自家がんワクチン療法開始。(12月、主治医からの電話で)先週の前半、患者様はhopelessな状態、意識もなかったが、ワクチン注射後、先週半ばより意識回復、あきらかにuphillとなっている。それまでは化療をやっていない。もはや自家がんワクチンしかない状態。2015年1月主治医からの電話で「化療も効かなかったという患者さんだが、ワクチン後、今はMethotrexate + AraCを5-6回併用中。不変(SD)になった。脳の転移巣も見えにくくなった。CRP値もほとんどなくなっている。ワクチンをもう1回やってほしい」とのことだった。
「主治医の評価による何らかの臨床上の好ましい反応」の典型例。

骨転移のある方へ:
自家がんワクチンを上乗せ治療すると長生きできます。

上記の尾道総合病院と因島医師会病院で「自家がんワクチン」療法を受診した方119例のうち、骨転移ありとの診断があったのは20例でした。

骨転移があった20例の生命予後を、カプランマイヤーカーブにて現したのが下図です。

  • Line1:日常診療に自家がんワクチンを上乗せ治療した場合の20例(全生存期間中央値mOS=60.0ヶ月)
  • Line2、Line3:世界中で紹介される本邦発の論文(M. Koizumi et al., Ann Oncol, 14:1234 – 1240, 2003)より引用した単発骨転移例、98例(mOS=39.5ヶ月)と191例(mOS=41.4ヶ月)
  • Line4:その論文中の多発骨転移414例(mOS=22.6ヶ月)。

この図は、自家がんワクチンを上乗せ治療すると長生きできることを明らかに示しています。

自家がんワクチン療法の臨床的完全奏効率は、世界最高の成績です。(2018年1月時点)

自家がんワクチン療法は、20例中3例(15%)で1年以上の臨床的完全奏効率(cCR)を維持しています。

これは、世界中で使われる学術文献のデータベースPubMedを発表論文の著者が検索したとき、2018年1月時点で世界最高の成績です。
決して治せない、と信じられていた乳がん骨転移は、確率は低いとはいえ、治せる可能性があるのです。

20例中3例(15%)で1年以上の臨床的完全奏効(cCR)を維持。世界中で使われる学術文献のデータベースPubMedを発表論文の著者が検索したとき、2018年1月時点では、世界最高の成績です。決して治せない、と信じられていた乳がん骨転移は、確率は低いとはいえ、治せる可能性があるのです。

※治療不能とされている乳がん骨転移の日常診療でさえこれほどの成績となるなら、他のがんの骨転移でも自家がんワクチンは有効になると推定できます。

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