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子宮がん

自家がんワクチン療法を受診、その後、2020年12月末時点までにフォローアップ調査した子宮がん症例のうち、経過報告があった症例についてソフトクライテリアの観点から評価した治療成績を以下のと、その下の代表的症例にまとめました。

評価済み症例のうちの有効例~無効例中、子宮頸がんでは27.3%で、子宮体がんでは48.3%で、臨床的に見てなんらかの改善効果(有効例 + 1年以上の長期不変・長期無増悪例)が見出されております。

(注:弊社が病院やクリニックではなくバイオ企業であるため、症例報告や論文内容のウエブ掲載は許容されています。監督官庁の確認を得ており、医療広告ガイドライン違反ではありません。)

がん種 子宮頸 子宮体
全症例数 58 66
1:有効 4 3
2:長期不変・無増悪
(1年以上)
5 11
3:不変
(6ヶ月以上1年未満)
2 1
4:無効 22 14
改善率1:
(1+2)/(1+2+3+4)
27.3% 48.3%
5:経過観察中 0 0
6:投与中止 2 4
7:転帰不明追跡不能 21 30
改善率2:
7.転帰不明も
無効とした場合
16.7% 23.7%
8:未投与 2 3
9:未評価 0 0

注) 改善率1=(1.有効+2.長期不変・無増悪)/(1.有効+2.長期不変・無増悪+3.不変6ヶ月以上1年未満+4.無効例数)   → もっとみやすい改善率-1、改善率-2、表中の項目1~9の定義は → こちらです

代表的症例

〔症例0875〕
1988年卵巣嚢腫を経験、2008年12月子宮体がんを手術。腫瘍マーカーCA19-9は1806あった。このときの細胞診では類内膜腺がんG2とされており、子宮体がんと確定診断されている。完全切除とされていたが、リンパ節転移あり(stage IVa)、しかも骨盤リンパ節は郭清していない。2009年2月自家がんワクチン接種後、CA19-9は250に急減、4月には21、6月には6まで低下した。この間、他の治療は全く無しで、2010年6月現在まで16ヶ月間再発なく、CA19-9も正常。主治医は自家がんワクチン有効例と考えてよいとのこと。

〔症例1222〕
2010年7月、病理組織学的診断は子宮内膜間質肉腫、high grade、リンパ管侵襲(+)血管侵襲(++)という方。術後再発を覚悟しなければならない状況にあった。2011年5月自家がんワクチン投与開始。2015年1月現在、再発なく正常。月2回、ビタミンC点滴を続けている。

〔症例1711〕
35歳。子宮頸がん、2011年10月手術。術後抗がん剤治療なし。2012年2月肺右上葉に単発の転移あり。同年3月切除後、CDDP+CPT-11(PI)療法開始。7月、PI療法4クール後のCTで3ヵ所以上の両側肺転移出現、その後、10月より自家がんワクチン療法開始。
. (主治医からの電話で)11月肺転移消失をCTで確認。12月腫瘍マーカー減少確認。化学療法とワクチンの併用効果と考えられるとのこと。

〔症例2329〕
子宮頸部小細胞がん(下図a)。予後不良と考えられ、これまでに確立した治療法がない(日本癌治療学会、子宮頸がん治療ガイドライン)。この方も6コースの抗がん剤治療でやはり無効。自家がんワクチン接種後、免疫チェックポイント阻害剤(キイトルーダ)1 mg/kgで3週おき,3回投与。広範な骨盤内リンパ節転移(b)に放射線を照射(ただし肝臓は避けて)、CT画像上は、骨盤内リンパ節の縮小傾向を認め、観測されていた肝転移巣は一時的に増大、以後縮小(c)。血中腫瘍マーカーNSEも減少、治療による副作用は認めていない。

この症例は、

アクセルオン/ブレーキオフ戦略ボタン-ssss

 が成功した典型例である。

 (a)病理画像

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

(b)白矢印が骨盤内リンパ節転移
Fig.1B----

(c)肝転移巣の変化(白矢印)
Fig. 3-photo

矢印が示すやや暗い部分が転移巣。一時的に増大後、縮小した。

原著論文は → こちらのページに詳しい案内があります

(注:2020.11.19追記この方、自家がんワクチン投与後5年半もたってから、ご本人の希望により、細胞性免疫反応の確認テストを行っています。その結果、以下のような強い遅延型アレルギー反応が、原材料である(免疫アジュバントは含まれていない)がん組織断片に対して見られました。

症例2329-サカノキョウオコ-5.5年後のDTH-2反応3

この反応は、自家がんワクチンで体内に誘導されたメモリーT細胞が、5年半たっても生き残っていることを示しています。

より詳しくは、→ こちらをご覧ください。

〔症例2720〕
69歳。子宮体がん、腹膜転移あり。2017年1月自家がんワクチンを製造するも、2月抗がん剤治療中のためワ
クチン投与を一時延期、その後に投与。6月に腹水3.2L抜去、15日後に腹水3.0L抜去したが、10月時点で腹水
がなくなった。このとき、C19-9=14~15、CA125=145となり、11月までにCA19-9=5、CA125=98と減少、11月末時点ではCA19-9=5、CA125=74.3となった。2018年1月まで温熱療法にて通院していたが以後来院をキャンセル。

(注)このときの主治医は、抗がん剤治療だけでは腹膜転移による腹水貯留は無くならないだろうと考えていました。腹水がゼロになりQOL改善に明瞭に貢献したことがわかります。

〔症例2794〕
59歳。良性の子宮筋腫とは異なる悪性で、極めて稀な子宮体肉腫腹膜転移あり。2016年4月、子宮全摘+両側付属器切除術施行。2017年4月、自家がんワクチン投与開始。投与前に300近くあった腫瘍マーカーがワクチン投与後に30-40台まで激減し、画像上も縮小している。しかし2018年11月死亡。主治医によれば「この病気にしては長く生きられたほうだ」とのこと。腫瘍マーカー激減により、自家がんワクチンは有効と判断された。

(注)参考資料:水谷哲也、子宮肉腫と子宮筋腫を鑑別する腫瘍マーカーの開発、福井大学 平成27年9月新技術説明会。

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以下の症例は、上記の表には未だ含まれていない「MSI-high型のがん」の1例です。

〔症例3470〕
56歳。子宮がんのうちの類内膜がん。腹腔内の大手術後、血中にがん細胞を検出、MSI-high型で標準治療(抗がん剤、免疫チェックポイント阻害剤)感受性ありだったが、本人が標準治療を断固拒否。自家がんワクチンのみで治療。2020年11月より、自家がんワクチン1コース(3回接種)を受診した結果、2020年12月には、CT画像上、肺転移巣9ヶ所(図では肺の3ヶ所だけ上段に表示)の腫瘍サイズが全て半減以下となり、うち1ヶ所(図中のがついている矢印)は消失(図のii.単独療法)。しかし、どいうわけか、その後の12月中に患者は地元の大手病院で抗がん剤治療を施行され、強烈な副作用(1回だけの点滴)で中止、自家がんワクチン2コース目に戻った。その結果、肺転移巣9ヶ所が全て消失した(図のiii.併用療法)。図の下段は、PET-CTで検出された傍大動脈リンパ節転移(矢印)。図のiii.で消失している。

CMI3470-子宮がん多発肺メタ消失-2

(注)免疫チェックポイント阻害剤ペンブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)は、MSI-high型の固形がんに対してならば、“がんの種類にかかわらず”使える保険薬として国の承認を得ている。キイトルーダと同じく体内でキラーT細胞を活性化する自家がんワクチンMSI-high型の固形がんに対しては“がんの種類にかかわらず”に作用すると考えられる。
 論文Fukuda K, Ohno T. Clinical Case Reports, in press, 2023. (Authorea preprintはこちらにあります。 → https://www.authorea.com/doi/full/10.22541/au.164933838.83663892 )